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年末年始のこと 1

 仕事で年末年始を過ごしましたが、それを最初から時系列で3回にわけて書きたいと思います。「大変だった」と単なる愚痴なのですが、はけ口を求めて書きます。
 これが私の普段している仕事です。専門用語があり、わかりにくいかもしれませんが、ご容赦ねがいます。


2008年
10月10日
編集者X氏よりメール。
 某 “有名” 著者の書き下ろし+以前に雑誌連載した既存原稿を基にした12月中旬発売予定の本のデザイン、DTP※1を依頼される。
10月20日
 編集者X氏より一部データが届く。(以前、雑誌に連載された部分の一部)
10月23日
 デザインしたラフスケッチ※2を編集者X氏に送る。
10月25日
 編集者X氏よりメール、ラフスケッチのOKが出たので、このままのデザインで進める。
 (雑誌連載の部分(仮称A)を先行させ、書き下ろし部分(仮称B、C)は入り次第、組む予定)
   同 日
 連載原稿と図版、写真が届く。(一部抜けあり)
10月30日
 雑誌連載部分のDTP組版終了、PDF※3を初校※4として編集者X氏に送信。
11月12日
 赤字の入った初校ゲラ届く。
11月19日
 雑誌連載部分の抜けていた部分、追加図版などが届く。
11月23日
 初校ゲラの直しが終了。
11月25日
 上京し、再校ゲラ※5を編集者X氏に手渡す。
 この時点で書き下ろし原稿はなく、X氏、12月刊行をあきらめる。
12月 4日
 直しの入った再校ゲラ届く。
12月 8日
 直し済みの図版データが届く。
12月10日
 再校ゲラの赤字直し終了、再校ゲラをX氏に宅配便にて送る。
12月13日
 編集者X氏とメールなどで直しもれなどのやり取りをして、雑誌連載部分のDTP完成。
 最終ゲラ※6のPDFをX氏に送信するとともにデータを焼き付けたCD-R送付。
12月14日
 印刷所にデータ入稿。ここまでの作業で完成したものを「A」とします。

 この後、印刷所で印刷・製本されて取次店へ。取次店から書店に配本、お店に並びます。これが本が一冊できるまでのおおまかな流れです。

 12月14日のデータ入稿で私の仕事はほぼ終わりですが、カラーページがあるため色校※7が印刷所から出ます。それをチェックして、印刷所に戻すと、あとは本が出来るのを待つだけ……。ですが、今回はまだ書き下ろし原稿の部分がまったく出来ていないので、山登りに例えると5合目あたりでしょうか
   to be contened……

※1 Desk Top Publishingの略。 原稿の入力やイラストなどの制作、組版(デザイン・レイアウト)、出力までの作業をパソコンで行うこと。Adobe のInDesignやQuark X Pressといった専門のソフトを使います。
※2 レイアウトの見本として、簡単に紙に描いてみること。担当者とデザイナーが打ち合わせ、互いの意図を確認するために描く。単に「ラフ」ともいう。以前は手書きで書くため意図が伝わりにくかったのですが、最近はパソコンで作るので仕上がりに近いモノができ、スムーズに打ち合わせができるようになりました。
※3 Portable Document Formatの略。作成したドキュメントを異なる環境のコンピュータで元のレイアウトどおりに表示・印刷できるファイル形式。
※4 初校は原稿を初めて組版したも。ゲラは組版校正用に作った試し刷りやコピーのこと。仕上がりと同じ内容、体裁が表現されてる。 
※5 初校ゲラに入った赤字(直し)を反映させた第2回めに出すゲラのこと。念校ともいう。
※6 全ての赤字を反映させて、仕上がり(印刷物)と同じ状態になったゲラのこと。

ここまでがデザイン・DTP作業、私の仕事です。

※7 カラー印刷のための製版を終えた段階で、実際の印刷インキで試し刷りし、校正を行うこと(印刷所がおこないます)。

by pukichi3 | 2009-01-05 14:31 | お仕事